日本の運転手を悩ませる2024年問題が現実となりました、5年間の猶予でその問題に対応することが出来なかった運送会社とその従業員は大変なことになります。
多くの運転手は一家の大黒柱です、そしてその収入は残業によって賄われています、しかし、毎月労働時間が減ればそのツケは運転手の手取りを直撃します。
その問題解決に大量の荷物を積載し運搬、荷台を切り離せるトレーラー輸送が見直されています。
しかし、最大の難点はその操作が難しいことに尽きると思います。
そこで、トレーラー乗務15年の筆者がこれまでの経験を元にアドバイスしていきます。
トレーラーの運転を上達させる方法
もうすぐ50歳の筆者ですが、当然幼かった時期もありまして毎日自転車に乗る練習をして、ひざを擦り剝いてべろべろになっても諦めなかった日々をい思い出します。
思い通りに動かしたい、どこか遠くへ行ってみたいそんな熱い思いでこける度にコツを掴んで思い通りに動かせるようになったことをおじさんになった今でも覚えています。
トレーラーの運転も全く一緒です、根性論ですか?と問われれば正にその通りですとしかお答えできません、誠に申し訳ありません。
野球少年がプロ野球選手を目指しても必ずなれるかどうかはわかりませんが
トレーラー運転は必ずうまくなれます!全くの素人から15年無事故の筆者が言うので大丈夫!
まずは真っすぐ下がろう
トレーラーの運転で一番難しい操作はなんといってもバック(後退)です。
少しでもハンドル操作を誤れば左右へ蛇行しはじめます、慌てて逆にハンドルを切っても
時すでに遅し、立て直せる見込みは無くなります。まずは平行のラインをイメージして
真っすぐ下がる練習からやっていきましょう、そこでどのくらいハンドルを切れば
ヘッドが左右に切れ始めるかを体感していきましょう、30分もやれば感覚は掴めます。
その際にカウンターを当てる量も掴めると更にいいです。
きちんと窓から顔を出して、ヘッドと荷台のズレを確認しながら後退しましょう。
そして、その『真っすぐ下がる』ことがトレーラーを後退させる全てだと後々わかるのです。
駐車場の枠に停めてみよう
真っすぐ下がる感覚を掴んだら、駐車場の枠の右端にカラーコーン等の目印を置いて
そこに荷台右方の角をすれすれに持っていけるように後退してみましょう。
枠に入れられるかと思いきや、最初は絶対に思い通りになんかいきません。
なぜなら荷台部分の軸という概念をもっていないからです。
荷軸とは、その部分から車体が曲がっていく中心部分と言えます、まずは何度も繰り返し
ヘッドを折って荷台の軸がどこに在るかを掴んでいきましょう。
次に注意する点は枠の中に荷台部分を真っ直ぐに入れる、ヘッドは二の次です。
荷台をまず押し込んでから前進して全体を真っ直ぐにするこれが基本の動きになります。
上手な運転手さんは、一連の動きを後退しながらやっていきます。
そんなことできなくても何度でもさがったり出たりして車体を真っすぐに出来ればいいのです。
運転手の本懐は車体と荷物と自分の体に傷をつけずにお客さんへ届けることですから。
致命傷を避けて失敗しよう
私自身の過去の経験で恐縮ですが、トレーラー業務に従事して数か月のことです。
片側1車線ずつの公道からバックで先方の狭い車庫へ入れようとした時のことです。
いわゆる難しいバック(メクラバック)を何回も失敗してしまって。
ふと気づけば片方の車線に100台近くの渋滞を作っていたこともあります。お客さんからもう来るな!とか、この〇〇〇野郎とか罵詈雑言を浴びせられました・・・。
少しだけ慣れてきてた時期だっただけにメンタルもズタズタになった苦い記憶です・・・。
それでも、事故もなく何かにぶつけたりせずに無事故15年を続けられているのは師匠の言葉をずっと守っていたからだと思います。
師匠の教え
たった一つの運送会社に50年以上勤めた伝説の運転手が私の師匠でした、15歳で入社して67歳まで勤め上げた人です。
昔の運転手といえば、素行が悪くてなんぼみたいなイメージですが、その師匠はとても誠実で優しくて誰からも好かれる聖人のようなひとでした、酒もたばこもやりません。渡哲也を小っちゃくしたようなスモールダンディでした。
そんなスモールさんに教えてもらったことは数えきれないほどありますが、今でも肝に銘じているのは安全運転です、『荷物と車は壊しても直る、人は壊れたら治らんよ』と、
他にも『もし遅れて到着しても事故をしてないならそれでいい』と、人を思いやる心に溢れたひとでした。
運転手は誰でもなれます、でも事故や物損を起こさない優良な運転手になるには長い時間がかかります。
自転車に初めて乗れた日と同じように、初めてトレーラーを運転してお客さんに届けた日は今でも忘れられません。
まとめ
テクニックを理論的に説明するのが苦手で精神論ばかり書いてしまいましたが、乗り物は動かす人の心ひとつで凶器にもなり得ます、この便利な世の中を維持するには多くのサービス業に関わる人がかかせません。私はこれからも胸を張って世の中の人たちにサービスをお届けしていきたいと思っています。
これから運転手を目指そうと思っている方、今後この業界はホワイトになっていきますのでどうか恐れずに一歩踏み出していただきたいです。そしてそんな勇気を出した人たちの支えになれるように発信を続けていきます、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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